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毎夕、2階のベランダでデッキチェアに腰かけて缶ビール(税法上は「その他の醸造酒」)を飲む。景色というほどのものはない。強いていえば、空を横切る何本もの黒い線。電線である。 これに野鳥が止まる。ポピュラーな鳥に限らない。近くに親水公園があるからか、エッというようなやつもいる。デカい白鷺がサッと降りてきて、池の魚をかっさらって飛び去ったときは、たまげた。
ひところ減少したという雀が、電線に止まった。この雀Aはミミズのような獲物をくわえている。もう1羽雀Bが隣に止まり、獲物に興味を示している。 と、ミミズは途中でちょん切れて下に落ちた。すかさず、雀Bが急降下した。分け前にあずかれてよかったな。うんうん。ところが、である。 雀Bは、獲物をくわえて元の電線に戻り、なんと、それを雀Aに口渡しで返したのである! 雀Aはさも当然のようにそいつをくいっと飲み込んだ。
この絵のカラスは、そんな心優しい鳥たちではない。柿のうまいところだけを狙い人間と争う、狡猾な「空の狼」である。 動物には、所有、という不幸をまき散らす観念がないから、庭だろうが畑だろうがやってきて、権利を叫ぶ人間に追い払われる。でも、ここで木に登る人間たちは、カラスとの競争をまるで楽しんでいるかのようだ。 私もこの柿もぎに参加したい。 電線を伝うのは、電気ばかりではない。数本の電線のうち一番太い線が、各戸に配線するため枝分かれしている。これを利用して、アイツがやってくる。 まず、ネズミ。夜、デッキチェアに座って月を眺めていると、電線上を小さな黒い影が動いている。そいつはわが家への分岐点に至って、迷わずこちらへ進路を向けた。私はガバッと立ち上がった。 小さな黒い影は、10センチほど枝線を降りたところで、フリーズした。(つづく)
by kimagure-art
| 2018-07-16 20:59
| 日本の絵
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