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長谷川利行「動物園の風景」

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 オランダの美術館から盗まれたモネやマチス、ピカソなどの絵が、隠してあった犯人の実家で母親に燃やされてしまった、というニュースがあった。時価総額百億円超。これで思い出したのが、かつて田子の浦をヘドロの海に変えた大昭和製紙の会長齊藤某である。
 バブル華やかなりし頃、各百ン十億円でゴッホとルノアールの絵を落札した斎藤は、「俺が死んだら一緒に荼毘に付してくれ」と妄言を吐いて世界中から非難を浴びた。

 いい絵を燃やしてはいけない。当たり前である。しかし、世の関心は、燃やされた、あるいは燃やされそうになった絵の美的価値よりも、その金額にある。安い絵だったら、どうぞご勝手に、である。
 利行は行き倒れ同然で施設に収容され、そこで死んだが、持っていたスケッチブックなどはすべて焼却処分されてしまった。絵が評価されるのは、それから数十年後だ。

 陽光が降り注ぐ動物園の広場。この景色は知っている。上野動物園だ。ふたりの娘はまだ小さくて、ケヤキの下をぴょんぴょん跳ねまわっていた。ほら、これとこれがうちの子供たちだよ。そういいたくなってくる。
 服装など描いたら、こういう喚起力は生まれない。細かい描写を省いたことによって景色は時を超える。筆跡も新鮮なまま。

 何年か前、鑑定番組に利行の絵が出た。鑑定額、千八百万円!
 さて、我が家にも絵がたくさんある。自宅だけでは足らず、他家にも預けてある。まだ増える予定である。燃やしても誰も文句は言わないから、一緒に荼毘に付してもいいのだが、多すぎる。
 平面も案外、厄介なものである。

by フジグリーン・メグ
スリノキネット

by kimagure-art | 2013-07-20 00:00 | 日本の絵


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