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朝、起床すると、まず小便をする。次に、洗面台の前に立ち、鏡に映った自分の顔と向きあう。昨日と変わりなければ、次のルーティンにとりかかる。鼻の頭にオデキでもできていないかぎり、顔を見るのは一瞬である。 私の場合は、それで十分だが、女性はもちろん、今は男でも、鏡とのにらみ合いで一日が始まる人も多かろう。 人は40歳になったら自分の顔に責任を持たねばならない。これは、リンカーンが大統領として閣僚を任命する際、推薦された人物を断った理由として語ったものらしい。つまり、そいつの顔が気に入らなかったのだ。 確かに、どうしても虫の好かない顔というのは、ある。前世で天敵だったのかもしれない。 でも、リンカーンのようにいわれたら、前世のせいにもできず、40年間の人生を呪うしかなくなる。 さて、この絵の顔はどうだろう。洞の眼は、目やにばかりであまり見えない。耳も遠いし、歯はない。筵を巻いて、手には施しを受けた果実を握り、もう顔になんぞ何の関心も払わなくなっている。 哀れである。哀れであるが、ひょうきんなところもある。口が悪そうだけれども、けっこう親切なような気もする。なかなか味があるじゃないか。 実際に、木や草でこんな顔を作ってみたくなった。 ところで、もともとリンカーンはヒゲを生やしていなかった。生やしはじめたのは大統領選挙の期間中である。対立候補に比べて貧相に見えるリンカーンに、11歳の少女がヒゲを生やすようすすめた手紙がきっかけだったという。 そのお陰で選挙に勝利したかどうかは、定かでない。 けれども、落選していたら、自分の顔に責任をもてなんていう言葉は、出てこなかったに違いない。 by フジグリーン・メグ スリノキネット
by kimagure-art
| 2009-10-27 20:23
| メグスリノキ
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